フリマアプリで多肉植物が売れない理由は写真にあった
私がフリマアプリで多肉植物を出品し始めたのは2年前のことです。当時、ベランダで育てた多肉植物が増えすぎて、「これなら副業になるかも」と軽い気持ちでスタートしました。しかし、現実は甘くありませんでした。
最初の3ヶ月間、全く売れなかった理由

出品から3ヶ月間で売れたのは、わずか2株だけ。しかも相場より大幅に値下げしての販売でした。同じような多肉植物を出品している他の出品者と比較して、価格設定も適正だったにも関わらず、なぜ私の商品だけ売れないのか。答えは商品写真にありました。
当時の私の写真撮影は、スマートフォンで何気なく撮った「記録写真」レベル。室内の蛍光灯の下で撮影し、背景には生活感あふれる雑貨が写り込んでいました。多肉植物の魅力である葉の質感や色合いが全く伝わらない写真だったのです。
売れる出品者の写真を徹底分析した結果
そこで私は、同じカテゴリーで頻繁に売れている出品者の写真を分析しました。すると、共通点が見えてきました。自然光を活用した明るい写真、シンプルで清潔感のある背景、植物の特徴が分かりやすい角度など、素人目にも「欲しい」と思わせる魅力的な写真ばかりでした。
フリマアプリでは、購入者は実物を手に取れません。だからこそ、写真が商品の第一印象を決める重要な要素なのです。ITエンジニアとして論理的思考に慣れている私は、この気づきから写真撮影の改善に本格的に取り組むことにしました。結果として、この判断が売上を劇的に変えることになったのです。
私の多肉植物販売が失敗続きだった3つの原因
実は、私がフリマアプリで多肉植物を販売し始めた当初、3ヶ月間で売れたのはたった2株だけでした。当時の私は「多肉植物自体が良いものなら、写真は適当でも売れるだろう」と甘く考えていたのです。しかし、振り返ってみると明確な失敗原因がありました。
原因1:室内の蛍光灯だけで撮影していた

最初の頃は、仕事から帰宅後の夜間に室内で写真撮影をしていました。蛍光灯の下で撮った写真は、多肉植物の美しい色合いが全く表現できず、どれも同じような薄暗い印象に。特にエケベリアの葉の透明感や、ハオルチアの窓の美しさが全く伝わらない写真ばかりでした。
原因2:背景を全く意識していなかった
当時は自分のベランダの床に直接植物を置いて撮影していました。コンクリートの汚れや、周りに置いてある園芸用品が写り込んでしまい、肝心の多肉植物に目が向かない散漫な写真になっていたのです。フリマアプリでは第一印象が全てなのに、これでは興味を持ってもらえるはずがありません。
原因3:植物の魅力的な角度を見つけられていなかった
多肉植物には必ず「一番美しく見える角度」があります。しかし当初の私は、真上から撮るか正面から撮るかの2パターンしか知りませんでした。例えば、アガベの力強い葉の重なりや、セダムの可愛らしい群生の様子など、それぞれの品種の個性を活かした撮影ができていなかったのです。
この3つの問題点を解決するために、私は本格的に写真撮影の勉強を始めました。その結果、問い合わせ数が劇的に改善したのです。
問い合わせが10倍になった写真撮影の基本原則
私がフリマアプリで多肉植物を販売し始めた当初、撮影した写真への反応は散々でした。1週間に1件程度の問い合わせがあれば良い方で、ほとんどの商品が見向きもされない状況が3ヶ月も続きました。しかし、写真撮影の基本原則を理解し実践したところ、問い合わせ数が劇的に改善。現在では週に10件以上の問い合わせをいただけるようになりました。
売れる写真に共通する3つの要素
成功した写真撮影を分析すると、必ず以下の3要素が揃っていることがわかりました。

1. 植物の魅力が一目で伝わる構図
商品の全体像と細部の美しさを両方表現できているかが重要です。私の場合、メイン写真では植物全体を、サブ写真では葉の透明感や紋様などの特徴的な部分をクローズアップしています。
2. 自然で清潔感のある色合い
購入者は実際の色味を正確に知りたがります。色温度を調整し、実物に近い自然な発色を心がけることで、「思っていた色と違う」というクレームも激減しました。
3. 信頼感を与える背景と環境
雑然とした背景は商品の価値を下げてしまいます。シンプルな白い背景や、清潔感のある栽培環境を写すことで、購入者に「この人は植物をきちんと管理している」という安心感を与えられます。
問い合わせ増加の決定的な変化
最も大きな転機となったのは、写真撮影を「記録」から「商品プレゼンテーション」として捉え直したことです。単に植物を写すのではなく、「この多肉植物を手に入れたらどんな喜びがあるか」を伝える意識で撮影するようになってから、明らかに反応が変わりました。
特に効果的だったのは、植物の成長過程や季節による変化を示す比較写真の追加です。「購入後の楽しみ」を具体的にイメージしてもらうことで、単なる商品から「育てる喜び」を提供する価値ある商品へと印象が変化したのです。
光の当て方で多肉植物の美しさを最大限に引き出す方法

フリマアプリでの多肉植物販売において、光の使い方が写真撮影の成否を分ける最重要ポイントです。私が売上を劇的に改善できたのも、この光の扱い方をマスターしたからでした。
自然光を活用した基本的な撮影テクニック
最も効果的なのは、午前10時から午後2時の間接光を使った写真撮影です。私は当初、直射日光で撮影していましたが、これでは多肉植物に強い影ができてしまい、葉の透明感や色合いが全く伝わりませんでした。
レースカーテン越しの柔らかい光や、明るい日陰での撮影に変更したところ、多肉植物のぷっくりとした質感と微妙な色のグラデーションが美しく表現できるようになりました。特にハオルチアのような透明感のある品種では、この間接光の効果は絶大です。
室内照明を使った補助光テクニック
天候に左右されない安定した写真撮影のため、LED照明を補助光として活用しています。色温度5000K程度の昼光色LEDを斜め45度の角度から当てることで、自然光に近い仕上がりが得られます。
私が実践している方法は、メイン光源を窓からの自然光とし、影になりがちな部分にLED照明で補助光を当てる二灯式の撮影です。この方法により、多肉植物の立体感を損なうことなく、全体を均等に明るく撮影できるようになりました。
時間帯別の光質の使い分け
朝の光は青みがかった清涼感を演出でき、夕方の光は温かみのある印象を与えます。販売する多肉植物の特徴に合わせて撮影時間を調整することで、より魅力的な商品写真が撮影できます。実際に同じ株を異なる時間帯で撮影比較したところ、購入希望者からの反応に明確な違いが現れました。
背景選びが売上を左右する理由と実践的な選び方

私が写真撮影を始めた頃、多肉植物をキッチンの白いタイルの上に置いて撮影していました。「白い背景なら清潔感があって良いだろう」と思っていたのですが、全く反応がありませんでした。背景を変えるだけで売上が変わるなんて最初は信じられませんでしたが、実際に試してみると驚くほど効果がありました。
背景が購買意欲に与える心理的影響
購入者は写真を見た瞬間に「この多肉植物を自分の部屋に置いたらどう見えるか」を無意識に想像します。私が気づいたのは、人工的すぎる背景では購入後のイメージが湧きにくいということです。実際に、木製のテーブルや麻の布を背景にした写真に変更したところ、問い合わせが3倍に増加しました。これは、より自然で親しみやすい印象を与えることで、購入者が「自分の生活空間にも馴染みそう」と感じやすくなったためです。
売上アップに直結した背景選びの実践方法
私が最も効果を実感した背景は以下の3つです:
1. 古材風の木製ボード
ホームセンターで1,000円程度で購入できる木製板に、サンドペーパーで軽く傷をつけて使用。ナチュラルな質感が多肉植物の魅力を引き立てます。
2. 麻や綿の自然素材の布
無地のベージュや薄いグレーの布を敷くだけで、高級感のある写真撮影が可能です。しわは軽く伸ばす程度で、完璧すぎない自然さがポイントです。
3. コンクリート調の背景シート
100円ショップでも入手可能なリメイクシートを使用。モダンな印象を好む購入者層に特に好評でした。
重要なのは、背景が主役にならないことです。多肉植物が引き立つよう、色味は抑えめにし、柄物は避けることを強くおすすめします。私の経験では、背景を意識した写真撮影に変更してから、平均販売価格も20%向上しました。
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