私が多肉植物の挿し木で成功率を30%から85%に上げるまでの失敗の歴史
正直に告白しますが、私の挿し木への道のりは失敗の連続でした。5年前、多肉植物を始めたばかりの頃は、YouTubeで見た通りに茎をカットして土に挿すだけで「簡単に増やせる」と思い込んでいたんです。
初期の惨憺たる成功率と原因分析

最初の1年間、私の挿し木成功率はわずか30%でした。10本挿して3本しか根付かない状況が続き、何度も心が折れそうになりました。当時の失敗パターンを振り返ると、以下のような問題がありました:
- 切り口の処理が雑:清潔でない刃物を使用し、切り口も斜めに切るなど基本を無視
- 挿し木のタイミングが悪い:真夏や真冬など、多肉植物の休眠期に無理やり挿し木を実行
- 土の選択ミス:一般的な培養土を使用し、水はけが悪く根腐れを頻発
- 水やりの頻度が不適切:「乾燥を好む」という情報だけで、発根期の微妙な水分管理を理解していない
転機となった記録管理の開始
転機が訪れたのは3年前です。ITエンジニアの職業柄、データ管理に慣れていた私は、挿し木の詳細記録を取り始めました。品種別・季節別・方法別に成功率を記録し、失敗した株の状態も写真付きで保存。この地道な記録が、後に成功率85%達成の基盤となったのです。
例えば、エケベリア属では春の挿し木成功率が75%だったのに対し、秋は45%という明確な差が見えてきました。また、切り口を3日間乾燥させた場合と1週間乾燥させた場合では、後者の方が根腐れ率が30%も低いことも判明しました。
挿し木初心者時代の痛い失敗談と成功率30%の現実
恥ずかしながら、私の挿し木初挑戦は見事に失敗の連続でした。エンジニアの職業病なのか、「理論通りにやれば成功するはず」と思い込んでいたのが大きな間違いでした。
最初の3ヶ月間で学んだ「やってはいけない」こと
2019年の春、初めて挿し木に挑戦した私は、ネットで調べた情報を鵜呑みにして作業を開始。しかし、結果は散々でした。挿し木した30本のうち、発根に成功したのはわずか9本。成功率30%という厳しい現実に直面したのです。

当時の失敗パターンを振り返ると、以下のような問題がありました:
– 切り口の処理が雑:清潔なカッターを使わず、切り口もギザギザのまま
– 乾燥期間の管理ミス:「1週間乾燥」という情報だけで、季節や湿度を考慮せず
– 土の選択が不適切:園芸店で「多肉植物用」と書かれた土をそのまま使用
– 置き場所の環境把握不足:ベランダの直射日光下に放置
特に痛かったのは、お気に入りのブロンズ姫(※耐寒性が高く初心者向けとされる品種)を10本も枯らしてしまったこと。「初心者向けなのになぜ?」と自信を失いかけました。
データ記録の重要性に気づいた転機
ITエンジニアらしく、4ヶ月目からは失敗の原因を特定するため、挿し木の記録を詳細に取り始めました。品種名、切り取り日、乾燥期間、使用した土、置き場所の環境、水やりのタイミングなど、すべてをExcelで管理。
この記録により、自分の失敗パターンが明確になり、改善点が見えてきました。成功率30%という数字も、感覚ではなく実際のデータとして把握できたことで、「どこを改善すれば成功率が上がるのか」を論理的に分析できるようになったのです。
成功率向上のターニングポイントとなった3つの発見

挿し木の成功率が30%から85%に向上した背景には、3つの重要な発見がありました。これらは実際に失敗を重ねる中で気づいた、教科書には載っていない実践的なポイントです。
発見1:切り口の乾燥期間は品種によって大きく異なる
最初の頃は「多肉植物は3日間乾燥させる」という一般的な情報を鵜呑みにしていました。しかし、エケベリアとセダムで同じ方法を試したところ、エケベリアは成功率60%、セダムは20%という結果に。
詳しく観察すると、セダムは茎が細く水分が抜けやすいため、1日の乾燥で十分だったのです。逆に、アガベなどの厚い茎を持つ品種は5~7日かけてしっかり乾燥させる必要がありました。品種別に乾燥期間を調整した結果、全体の成功率が65%まで向上しました。
発見2:発根促進には「温度差」が効果的
室温で一定に管理していた時期は、発根までに2~3週間かかっていました。ところが、昼間は日当たりの良い場所(25~28度)、夜間は涼しい場所(18~20度)に移動させるようになってから、発根期間が1~2週間に短縮されました。
この温度差による刺激が、多肉植物の自然環境での昼夜の寒暖差を再現し、発根を促進していたのです。特に春と秋の挿し木では、この方法で成功率が20%向上しました。
発見3:土の配合比率の微調整が決定打
市販の多肉植物用土をそのまま使っていた時期から、赤玉土小粒4:鹿沼土3:パーライト2:バーミキュライト1の独自配合に変更したことが最大のターニングポイントでした。この配合により排水性と保水性のバランスが絶妙に保たれ、根腐れによる失敗が激減。最終的に85%の成功率を達成できました。
挿し木成功率85%を実現した私の道具選びの基準

初心者の頃、私は100円ショップのハサミとプラスチック容器で挿し木に挑戦していました。しかし成功率は30%程度で、多くの苗を無駄にしてしまいました。現在85%の成功率を維持できるようになったのは、道具選びを根本的に見直したからです。忙しい社会人でも確実に成果を出せる道具選びの基準をお伝えします。
切断用具は「清潔性」と「切れ味」で選ぶ
挿し木の成功を左右する最重要ポイントは、雑菌の侵入を防ぐことです。私が現在愛用しているのは、園芸用の精密ハサミ(2,000円程度)と消毒用エタノールです。
100円ショップのハサミとの違いを実際に検証したところ、以下の結果が出ました:
- 精密ハサミ使用:発根率85%、腐敗率5%
- 一般的なハサミ使用:発根率45%、腐敗率25%
切断面がきれいで雑菌が入りにくいため、これだけで成功率が大幅に向上します。使用前後は必ずエタノールで消毒し、複数の株を扱う際も1回ずつ消毒することで、病気の蔓延を防げます。
発根環境を整える容器選びのコツ
発根用の容器選びでは、「通気性」と「水分管理のしやすさ」を重視しています。私が3年間の試行錯誤で辿り着いたのは、底に穴を開けたプラスチック容器と、その下に受け皿を置く二重構造です。

この方法により、余分な水分が排出されつつ、適度な湿度を保てるようになりました。透明な容器を使うことで、発根の進行状況も一目で確認できます。平日の忙しい朝でも、容器を見るだけで水やりの必要性を判断できるため、社会人には特におすすめの方法です。
切り口処理で劇的に変わった発根率の改善データ
挿し木における切り口処理の重要性を実感したのは、育て始めて3年目のことでした。それまでは単純にハサミで切って土に挿すだけでしたが、発根率の低さに悩んでいました。そこで切り口処理を見直したところ、驚くべき改善が見られました。
切り口処理方法別の発根率データ
私が1年間かけて検証した品種別・処理方法別の発根率データをご紹介します。
処理方法 | セダム系 | エケベリア系 | クラッスラ系 | 平均発根率 |
---|---|---|---|---|
従来方法(そのまま挿し) | 25% | 30% | 35% | 30% |
切り口乾燥(3日間) | 60% | 65% | 70% | 65% |
乾燥+発根促進剤 | 80% | 85% | 90% | 85% |
劇的改善をもたらした3つのポイント
1. 切り口の完全乾燥
切り口を風通しの良い日陰で3-5日間完全に乾燥させることで、雑菌の侵入を防ぎます。私は平日は忙しいため、金曜日の夜にカットして月曜日に植え付けるサイクルを確立しました。
2. 発根促進剤の活用
市販の発根促進剤を切り口に薄く塗布することで、発根率が20%向上しました。特に硬い茎を持つ品種では効果が顕著に現れます。
3. 切り口の角度調整
斜めカットではなく、水平にカットすることで切り口面積を最大化し、発根ポイントを増やしました。この小さな工夫だけで10%の改善が見られました。
これらの改善により、週末の限られた時間でも効率的な挿し木繁殖が可能になり、忙しい社会人の方でも確実に株を増やせるようになります。
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