私が大切にしていたエケベリアを根腐れで失った衝撃の体験談
愛用のエケベリア「花うらら」が突然変色した日
それは2021年の梅雨時期、私が多肉植物を育て始めて2年目の出来事でした。当時、特に愛着を持って育てていたエケベリア「花うらら」が、ある日突然葉の色が変わっているのに気づいたんです。いつものピンクがかった美しい色合いから、なんとなく黄色っぽく、そして透明感のある不健康な色に変化していました。
最初は「季節の変化かな?」と軽く考えていたのですが、日に日に症状は悪化。葉を軽く触ると、今まで感じたことのないぶよぶよとした感触があり、明らかに異常でした。慌ててインターネットで調べてみると、これが根腐れの典型的な症状だということが判明したんです。
根腐れ発見時の症状チェックリスト

当時の花うららに現れていた症状を振り返ると、以下のような変化がありました:
- 葉の色の変化:健康的なピンク色から黄色っぽい透明感のある色に
- 葉の質感:ハリのあった葉がぶよぶよと柔らかくなった
- 株全体の様子:なんとなく元気がなく、下向き加減になった
- 土の状態:表面は乾いているのに、中が常に湿っている感じ
- 臭い:鉢に近づくと、微かに嫌な臭いがする
特にショックだったのは、水やりは控えめにしていたつもりだったのに、なぜ根腐れが起きてしまったのかが全く理解できなかったことです。「多肉植物は水をあげすぎてはいけない」という基本は守っていたはずなのに、大切にしていた株を失うかもしれないという不安で、その夜は眠れませんでした。
この経験が、私の多肉植物に対する理解を根本から変えることになったのです。
根腐れの初期症状を見逃していた当時の私の判断ミス
今思い返すと、根腐れの初期症状は確実に出ていたのに、私は完全に見逃していました。当時の私は「多肉植物は乾燥に強いから、少し元気がなくても大丈夫」という甘い認識を持っていたんです。
見逃していた3つの重要なサイン

最初に気づくべきだったのは、葉の色の微妙な変化でした。私のお気に入りだったエケベリア「ラウリンゼ」の下葉が、いつもの鮮やかな緑色から少しくすんだ黄緑色に変わっていたんです。でも当時の私は「季節の変化かな」程度にしか思っていませんでした。
次に見逃したのは葉の張りの変化です。健康な多肉植物の葉は、軽く押しても弾力があるものですが、根腐れが始まると徐々にふにゃふにゃした感触になります。触った時に「あれ?」と思ったものの、「水が足りないのかも」と勘違いして、さらに水を与えてしまいました。これが最悪の判断でした。
そして決定的だったのは土の状態の変化です。水やり後、通常なら2-3日で表面が乾くはずなのに、1週間経っても湿った状態が続いていました。土からかすかに嫌な臭いもしていたのですが、「新しい土だから仕方ない」と自分に言い聞かせていました。
なぜ初期症状を見逃したのか
振り返ると、根腐れの初期症状を見逃した理由は明確でした。毎日の観察が習慣化されていなかったことと、正常な状態の記録を取っていなかったことです。仕事が忙しく、週末にまとめて世話をする程度だったため、日々の微細な変化に気づけませんでした。
この経験から学んだのは、根腐れは「気づいた時にはもう手遅れ」になりやすいということ。初期症状の段階で適切な対処ができれば、大切なコレクションを失わずに済んだはずです。
水やりが原因だと思い込んでいた最初の誤った対処法
根腐れを発見した当初、私は「水やりの頻度を間違えた」ことが原因だと思い込んでいました。この思い込みが、さらなる被害を拡大させる結果となってしまったのです。
水やりを完全停止した誤った判断
根腐れした多肉植物を発見した翌日から、私はすべての多肉植物への水やりを完全に停止しました。「水が原因なら、しばらく断水すれば回復するはず」という単純な考えからでした。

しかし、この判断は大きな間違いでした。健康な株まで水分不足で弱らせてしまい、結果的に3週間で追加の5株を枯らすという最悪の事態を招きました。特に、水を好むセダム系の品種は葉がしわしわになり、見るも無残な状態に。
土の交換だけで解決しようとした失敗
断水作戦が失敗に終わった後、今度は「土を新しくすれば大丈夫」と考え、根腐れした株の土をすべて新しい多肉植物用土に交換しました。しかし、根の状態を確認せずに植え替えたため、腐った根がそのまま残り、新しい土でも根腐れが進行し続けました。
当時の私は、根腐れの本当の原因が「排水性の悪さ」と「根の酸欠状態」にあることを理解していませんでした。水やりの頻度だけに注目し、土の質や鉢の排水機能を見直すという発想がなかったのです。
この誤った対処法により、本来なら救えたはずの株まで失ってしまい、コレクション全体が危機的状況に陥りました。忙しい仕事の合間を縫って大切に育てていた株を次々と失う経験は、本当に辛いものでした。
根腐れの真の原因は土の排水性不良だった重要な発見
最初は「水をあげすぎたから根腐れした」と単純に考えていた私ですが、同じ水やり頻度でも根腐れする株としない株があることに気づき、本格的に原因を調べることにしました。そこで発見したのが、土の排水性こそが根腐れの最大要因だったという事実です。
市販の多肉植物用土でも排水性が不十分だった
当初使用していた市販の「多肉植物・サボテンの土」を水に浸してテストしたところ、水が引くまでに約15分もかかっていました。理想的な多肉植物用土なら、水をかけた瞬間にスッと水が抜けるはずです。

実際に根腐れした株の土を調べると、以下の問題が見つかりました:
– 保水性の高いピートモスが多く配合されている
– 粒子が細かすぎて空気の通り道がない
– 鉢底に水が溜まりやすい構造
排水性改善で根腐れが劇的に減少
そこで土の配合を見直し、以下の割合でオリジナルブレンドを作成しました:
– 赤玉土(小粒):40%
– 鹿沼土:30%
– 軽石:20%
– 腐葉土:10%
この配合に変更後、根腐れの発生率が約80%減少しました。水やり後も土の表面が1日で乾き、根の周りに適度な空気層が保たれるようになったのです。
特に梅雨時期の湿度が高い環境でも、以前なら確実に根腐れしていたハオルチアやエケベリアが元気に育つようになり、排水性改善の効果を実感しています。忙しい社会人の方こそ、最初の土選びに少し時間をかけることで、後の管理が格段に楽になるはずです。
多肉植物の根腐れを早期発見するための観察チェックポイント
根腐れの早期発見は、大切な多肉植物を救うための最重要スキルです。私が200種類の多肉植物を管理する中で確立した、毎日の観察で見逃してはいけないチェックポイントをご紹介します。
葉の状態から読み取る根腐れのサイン

下葉の急激な変化が最も分かりやすい初期症状です。健康な多肉植物の下葉は徐々に枯れていきますが、根腐れの場合は2-3日で急速に黄色くなり、ぶよぶよした感触に変わります。
私の経験では、特にエケベリアやセダムなどのロゼット状の多肉植物で、下から2-3枚の葉が同時に変色し始めたら要注意です。触ってみて水分を含みすぎているような柔らかさを感じたら、すぐに土から抜いて根の状態を確認しましょう。
株全体の見た目と成長の変化
根腐れが進行すると、株全体の張りが失われます。健康な多肉植物は葉に適度な厚みとハリがありますが、根腐れすると全体的にしなびたような印象になります。
また、成長期なのに新芽が出ない、既存の葉が大きくならないといった成長停止も重要なサインです。私は週末の世話の際に、各株の写真を撮って変化を記録していますが、この方法で早期発見できた事例が数多くあります。
土の状態と臭いによる判断
土の表面が乾いているのに、鉢底から嫌な臭いがする場合は、根腐れが相当進行している可能性があります。健康な多肉植物の土は、乾燥時は無臭か土の自然な香りがするものです。
竹串や割り箸を土に刺して、引き抜いた時に黒い汚れや異臭が付着していたら即座に植え替えが必要です。忙しい社会人の方でも、この簡単なチェックなら平日の朝でも実践できます。
これらのチェックポイントを習慣化することで、根腐れによる大切なコレクションの損失を防げます。
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