多肉植物の植え替えで2年間失敗し続けた私の体験談
多肉植物を育て始めて最初の2年間、私は植え替えという作業で数え切れないほどの失敗を重ねました。ITエンジニアという職業柄、論理的に物事を進めるのが得意だと思っていた私でしたが、多肉植物の植え替えに関しては、まさに「知識だけでは通用しない」現実を痛感させられたのです。
最初の失敗:知識先行で実践が伴わない日々
多肉植物を育て始めた当初、私はネットで植え替えの情報を片っ端から調べました。「春と秋が適期」「根を乾燥させてから植える」「水はけの良い土を使う」といった基本知識は頭に入っていたつもりでした。

しかし、実際に植え替えを行うと、10株中7株が枯れるという惨憺たる結果に。特に印象的だったのは、初めて購入したエケベリア「桃太郎」を植え替えた時のことです。根を乾燥させすぎて完全に枯らしてしまい、その美しいロゼット状の葉が一枚ずつ落ちていく様子を見て、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
2年目:失敗パターンの蓄積期
2年目も状況は改善せず、むしろ「なぜ失敗するのか」という疑問が深まるばかりでした。特に以下の3つの失敗パターンを繰り返していました:
- タイミングの誤判断:植物の状態を見極められず、適期を逃す
- 土の配合ミス:排水性と保湿性のバランスが取れない
- アフターケア不足:植え替え後の管理方法が不適切
当時の私は、平日は朝から晩まで仕事に追われ、植え替えはいつも週末の限られた時間で慌ただしく行っていました。そのため、植物一株一株の状態をじっくり観察する余裕がなく、マニュアル通りの作業になってしまっていたのです。
なぜ植え替えに失敗し続けたのか?初心者が陥りがちな3つの落とし穴
振り返ってみると、私が植え替えに失敗し続けた原因は、基本的なポイントを見落としていたことでした。ITエンジニアという職業柄、論理的に考えることは得意だったのですが、植物相手となると勝手が違ったのです。
落とし穴1:「元気そうだから」という曖昧な判断基準

最初の2年間、私は多肉植物が「元気そうに見える」という理由だけで植え替えを行っていました。しかし、これが大きな間違いでした。多肉植物は見た目が元気でも、根の状態は全く違うことがあります。
実際に失敗した例として、購入から1年経ったエケベリアを「葉がぷりぷりで元気だから」と夏場に植え替えを実行。結果、2週間後には葉がしわしわになり、最終的に枯らしてしまいました。後で知ったのですが、多肉植物の多くは夏場に休眠期に入るため、この時期の植え替えは大きなストレスになるのです。
落とし穴2:市販の培養土をそのまま使用
忙しい社会人の私にとって、ホームセンターで「多肉植物用」と書かれた土を買ってそのまま使うのが当然だと思っていました。しかし、これらの土は保水性が高すぎることが多く、根腐れの原因となっていました。
特に印象的だったのは、ハオルチア5株を同時に植え替えした際、全て市販の土を使用したところ、3株が1ヶ月以内に根腐れを起こしたことです。水やりは控えめにしていたつもりでしたが、土の排水性が悪かったのが原因でした。
落とし穴3:植え替え後の管理を軽視
植え替え直後の管理についても、大きな勘違いをしていました。「植え替えたから水をあげよう」という考えで、すぐに水やりをしていたのです。しかし、植え替え時に根を傷つけている可能性があるため、すぐの水やりは根腐れリスクを高める行為でした。
実際、植え替え翌日に水やりをしたアガベが、1週間後に根元から黒くなり始めたときは、本当にショックでした。この経験から、植え替え後の「待つ」重要性を痛感したのです。
植え替え時期の見極め方:季節と株の状態から判断する具体的なサイン
私は植え替えの失敗を2年間繰り返しましたが、その最大の原因は「時期の判断」を間違えていたことでした。多肉植物の植え替えは、季節と株の状態を正しく見極めることが成功の鍵となります。
季節による植え替え適期の判断

多肉植物の植え替えに最適な時期は、春(3月下旬〜5月)と秋(9月下旬〜11月)です。私が失敗していた頃は、「植物が元気そうだから」という理由で真夏や真冬に植え替えを行っていました。しかし、多肉植物は暑さや寒さでストレスを感じている時期に植え替えを行うと、根へのダメージが回復せず枯れてしまうのです。
特に重要なのは気温です。最低気温が10度以上、最高気温が25度以下の期間を狙うことで、植え替え後の根の活着率が格段に向上しました。
株の状態から読み取る植え替えサイン
株の状態を観察することで、植え替えのタイミングを正確に判断できます。私が実践している具体的なチェックポイントは以下の通りです:
- 鉢底から根が出ている:根詰まりの明確なサイン
- 水やり後の乾燥が異常に早い:土の劣化や根詰まりが原因
- 下葉が頻繁に枯れる:栄養不足や根の問題を示唆
- 成長が明らかに停滞している:環境改善が必要
特に「水やり後2日以内に土が完全に乾く」状態になったら、確実に植え替えが必要です。健康な多肉植物なら、適切な土であれば4〜7日程度で乾燥するのが正常です。
この判断基準を身につけてから、私の植え替え成功率は95%以上に向上しました。忙しい社会人の方でも、週末の観察だけで十分判断できる方法です。
失敗から学んだ土の配合比率:市販の土では上手くいかなかった理由
植え替えを始めた当初、私は「多肉植物専用の土なら間違いない」と信じて市販品を使っていました。しかし、結果は散々。植え替え後に根腐れを起こしたり、成長が止まったりと、失敗の連続だったのです。
市販の土が合わなかった3つの理由

まず、保水性が高すぎることが最大の問題でした。市販の多肉植物用土は一般的な環境を想定して作られているため、私のマンションのベランダという半日陰環境では乾燥が遅く、常に湿った状態が続いていました。
次に、粒の大きさが均一すぎる点です。同じサイズの粒だけだと、隙間が少なくなり排水性が悪化します。実際に植え替え1ヶ月後に鉢から取り出してみると、土がべちゃべちゃになっていました。
そしてpH値の問題もありました。購入した土のpH値を測定すると6.8。多肉植物が好む弱アルカリ性(pH7.0-7.5)より酸性寄りだったのです。
試行錯誤で見つけた黄金比率
2年間の失敗を経て、現在使用している配合は以下の通りです:
– 赤玉土(小粒): 40%
– 鹿沼土(小粒): 20%
– 軽石(小粒): 20%
– 川砂: 10%
– くん炭: 10%
この配合にしてから植え替え成功率は95%以上に向上。特にくん炭の追加でpH調整ができ、軽石と川砂の組み合わせで理想的な排水性を実現できました。自分で配合すると1鉢あたりのコストも市販品の約半分になり、経済的なメリットも大きいです。
鉢選びで犯した致命的なミス:サイズと素材の正しい選び方
植え替えを始めた当初、私は鉢選びで本当に多くの失敗を重ねました。特に致命的だったのが、見た目の可愛さだけで鉢を選んでしまったことです。結果として、多くの多肉植物を根腐れで失ってしまいました。
サイズ選びの大失敗:「大は小を兼ねる」は植物には通用しない

最初の頃、私は「大きめの鉢の方が根が伸び伸びと育つだろう」と考えて、元の鉢より2〜3回り大きな鉢に植え替えていました。しかし、これが大きな間違いでした。
多肉植物は乾燥を好む植物なのに、大きすぎる鉢では土の量が多すぎて水分が長時間残ってしまいます。私のエケベリアは植え替え後1ヶ月で葉が黄色くなり、最終的に根腐れで枯れてしまいました。
正しいサイズ選びのルール:
– 元の鉢より一回り大きいサイズを選ぶ
– 鉢の直径は株の直径の1.2〜1.5倍程度
– 深さは根の長さ+2〜3cmが目安
素材選びで学んだ痛い教訓
見た目重視でプラスチック製の可愛い鉢ばかり使っていた結果、通気性が悪く湿気がこもりやすい環境を作ってしまいました。特に梅雨時期は最悪で、せっかく元気だったハオルチア3株を一気に失いました。
現在私が愛用しているのは素焼き鉢です。見た目は地味ですが、以下の理由で多肉植物には最適です:
– 通気性抜群:鉢の壁面からも水分が蒸発する
– 根腐れのリスクが大幅に減少:実際に植え替え後の生存率が8割から9割5分に向上
– 温度変化に強い:夏場の高温時も根へのダメージが少ない
プラスチック鉢を使う場合は、底穴が大きく複数あるものを選び、鉢底石を多めに入れることで排水性を高めています。この工夫により、素焼き鉢に近い環境を作ることができ、植え替え成功率が大幅に改善しました。
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