多肉植物の肥料で大失敗!枯らしてしまった原因と学んだ教訓
多肉植物を育て始めて2年目の春、私は取り返しのつかない大失敗をしました。「植物には肥料が必要」という一般的な園芸知識に従って、お気に入りのエケベリア「ブルーバード」に市販の液体肥料を与えたところ、わずか1週間で株全体が腐ってしまったのです。
肥料を与えすぎて枯らした具体的な経緯
当時の私は、春になったら植物の成長期だからしっかり栄養を与えようと考えていました。ホームセンターで購入した観葉植物用の液体肥料を、パッケージ通りに希釈して月2回のペースで与えていたのです。

最初の施肥から3日後、葉の色が少し薄くなったような気がしましたが、「新芽が出る前兆かもしれない」と楽観視していました。しかし1週間後、株元から異臭がし始め、触ってみると葉がぶよぶよに。慌てて土から抜いてみると、根が完全に腐っていました。
失敗から学んだ多肉植物の栄養需要の特殊性
この失敗を機に、多肉植物の栄養需要について徹底的に調べました。一般的な観葉植物とは異なり、多肉植物は貧栄養な環境を好むことを知ったのです。
原産地の多くが砂漠や岩場といった栄養の少ない土地であるため、過剰な栄養は逆にストレスとなり、根腐れや徒長(※間延びして形が崩れること)の原因になります。特に窒素分の多い肥料は、水分を多く含んだ軟弱な組織を作り、病気への抵抗力を弱めてしまうのです。
この経験以降、私は多肉植物への施肥に対する考え方を180度変えました。現在では適切な施肥方法を身につけ、200種類以上の多肉植物を健康に育てています。
なぜ私は肥料で多肉植物を枯らしてしまったのか
今思い返しても、あの時の自分は完全に肥料の使い方を間違えていました。ITエンジニアとして論理的に物事を考えるのが得意だと思っていた私が、なぜこんな初歩的なミスを犯してしまったのか。その原因を振り返ってみます。
観葉植物の常識を多肉植物に当てはめた大きな誤解

最初の失敗は、観葉植物用の液体肥料をそのまま多肉植物に使用したことでした。当時の私は「植物なんだから同じでしょう」という安易な考えで、ホームセンターで購入した一般的な観葉植物用の液肥を、パッケージに書かれた通りの濃度で与えていました。
この肥料の窒素・リン酸・カリウムの配合比は10-10-10で、窒素分が非常に高い設定。しかし多肉植物は砂漠などの痩せた土地が原産のため、豊富な栄養分に慣れていません。結果として、栄養過多による根腐れを引き起こしてしまったのです。
「成長促進」への過度な期待が招いた頻繁すぎる施肥
さらに悪いことに、「早く大きく育てたい」という気持ちから、月2回のペースで肥料を与え続けていました。一般的な観葉植物なら問題ない頻度でも、多肉植物には完全に過剰でした。
特に印象に残っているのは、お気に入りのエケベリア「桃太郎」が、施肥から2週間後に葉が黄色く変色し始めたこと。慌てて調べてみると、これは典型的な肥料焼けの症状だったのです。土壌の栄養濃度が高すぎて、根が水分を吸収できなくなっていました。
結局、その株を含めて計5株を失ってしまい、当時の私にとって大きなショックでした。この失敗を通じて、多肉植物には多肉植物特有の栄養管理が必要だということを、身をもって学んだのです。
失敗から学んだ多肉植物の栄養需要の特殊性
実際に肥料で失敗を重ねる中で、多肉植物の栄養需要が一般的な観葉植物とは根本的に異なることを痛感しました。最初の失敗から3年間、様々な実験を通じて発見した多肉植物特有の栄養需要について詳しく解説します。
一般植物との決定的な違い
多肉植物の最大の特徴は、極端に少ない栄養で生育する点です。私が最初に犯した間違いは、普通の観葉植物と同じ感覚で肥料を与えたことでした。

実際に測定したデータをご紹介すると:
– 一般的な観葉植物:月1回の液肥(1000倍希釈)
– 多肉植物:月1回の液肥(3000~5000倍希釈)
この違いを理解せずに濃い肥料を与え続けた結果、根腐れと徒長で15株を枯らしてしまいました。
多肉植物が求める栄養バランス
失敗後の土壌分析で分かったのは、多肉植物は窒素よりもリンとカリウムを重視することです。
私が現在使用している栄養比率:
– 窒素(N):2~3(成長促進だが過多は禁物)
– リン(P):8~10(花芽形成と根の充実)
– カリウム(K):8~10(耐病性と色づき向上)
一般的な肥料のN-P-K比率10-10-10では窒素過多になり、茎が間延びして本来の美しいフォルムが崩れてしまいます。
季節による栄養需要の変化
3年間の観察記録から、多肉植物の栄養需要は季節で大きく変動することが判明しました。

春秋(生育期):月1回の薄い液肥で十分な成長
夏冬(休眠期):肥料は完全にストップ
特に夏場に肥料を与えると、高温多湿と相まって根腐れのリスクが急激に高まります。実際に7月に施肥したハオルチアを3株失った経験から、この法則を厳守するようになりました。
忙しい社会人の方には、「少なすぎるかも」と思うくらいの控えめな施肥が、結果的に最も美しい多肉植物を育てる秘訣だとお伝えしたいと思います。
多肉植物に適した肥料の選び方と使い分けのコツ
失敗経験から学んだ肥料選びの基準を、実際に使用した製品とその効果をもとにご紹介します。多肉植物の肥料選びは、一般的な観葉植物とは全く異なるアプローチが必要です。
化成肥料と有機肥料の使い分け戦略
私が現在実践している使い分け方法は、成長期には薄めた化成肥料、休眠期前には有機肥料という組み合わせです。化成肥料は即効性があるため、春と秋の活発な成長期に月1回、規定濃度の3分の1に薄めて使用しています。一方、有機肥料は緩効性で土壌改良効果もあるため、冬の休眠期に向けた体力づくりとして晩秋に施用します。
実際に使用している化成肥料は窒素・リン酸・カリウムが6-10-5の比率のものです。多肉植物は窒素過多になりやすいため、窒素分が低めの配合を選ぶことが重要です。有機肥料については、発酵済みの固形タイプを土の表面に置き肥として使用しています。
自作液肥のレシピと効果検証
コストを抑えるために開発した自作液肥のレシピをご紹介します。ハイポネックス原液を2000倍に希釈し、さらにカルシウム補給のために卵殻を酢に漬けた自家製カルシウム液を数滴加えるという方法です。

この自作液肥を月2回、土が完全に乾いてから通常の水やりの代わりに使用したところ、葉の厚みが増し、発色も良くなりました。特にエケベリア系では、約3ヶ月で明らかな成長促進効果を確認できています。ただし、夏場の高温期と冬の低温期は施肥を完全に停止することが、健全な育成には不可欠です。
施肥のタイミングと量の調整方法
多肉植物の施肥で最も重要なのは、タイミングと量の見極めです。私が失敗を重ねて学んだ具体的な調整方法をお伝えします。
成長期に合わせた施肥スケジュール
多肉植物の多くは春(3-5月)と秋(9-11月)が成長期となります。私は以前、夏場にも同じペースで肥料を与えて株を弱らせてしまいました。現在は成長期のみ月1回、休眠期は完全に施肥を停止しています。
具体的なスケジュールは以下の通りです:
– 春(3-5月):月1回、規定濃度の半分で液肥を施用
– 夏(6-8月):施肥停止
– 秋(9-11月):月1回、春と同様の濃度で施用
– 冬(12-2月):施肥停止
適切な施肥量の計算方法
多肉植物には「薄めの肥料を少量ずつ」が鉄則です。市販の液体肥料は通常1000倍希釈ですが、多肉植物には2000-3000倍希釈で十分効果があります。
私が実践している量の目安:
– 3号鉢(直径9cm):希釈液50ml
– 4号鉢(直径12cm):希釈液100ml
– 5号鉢(直径15cm):希釈液150ml
土が完全に乾いてから施肥し、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。施肥後は風通しの良い場所に置き、次の水やりまで最低1週間は間隔を空けることで、根腐れを防いでいます。
この方法に変えてから、徒長(※茎が間延びして弱々しくなること)することなく、健康的な成長を維持できるようになりました。
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